個人カフェの珈琲

珈琲好きによる、珈琲好きのための、珈琲インタビュー - vol.1 山下隆生さん

今回は、アシックスやアディダス、ドレスキャンプなど有名ブランドのお仕事を数多く手がけている
ビューティービーストの山下隆生さん。「珈琲がないと一日が始まらない」というほど
珈琲好きの山下さんにお仕事のお話と珈琲についてインタビューしました。

独学で一から培った洋服作りのセンス

Q.どのようなお仕事をされているのでしょうか?

大きく分けて2つの仕事をしています。
1つがブランディング。様々なブランドのディレクションをしています。
たとえば、アシックスなど大手企業が立ち上げるブランド全体のディレクションをしています。
もう一つが洋服のデザイン。今はリステアというセレクトショップのなかでHLというブランドのデザイン、ディレクションをしています。もちろん自分のブランドであるビューティービーストも90年代からやっています。

独学で一から培った洋服作りのセンス

Q.有名なブランドのお仕事をたくさんやられていますよね?

アディダス、アシックスなどスポーツブランドもあれば、ドレスキャンプなどファッションブランドのお仕事もやらせていただいています。
私の場合、師匠がいないんです。叩き上げでずっと洋服を作ってきました。
2000年を皮切りにブランドの勉強をしたくて、色々なブランドの仕事を引き受け始めました。
有名なデザイナーの歴史を勉強し、色々なブランドを理解するために吸収して、現代に出力していくという作業を行ってきました。
そういった中で様々なご縁があり、たくさんのお仕事をやらせてもらうことができました。

Q.このお仕事をはじめたキッカケは何でしょうか?

「第一回丸井デザイナーオーディション」がきっかけでした。
もともと父親が都市開発などの仕事をしていたので、その仕事を継ぐために土木建築科の大学に通っていました。
ただある日、絵を描くことが好きだったことに気づき、自分の力を試すために丸井のオーディションに応募したんです。
まったく専門的な勉強はしてこなかったのですが、ここで最終審査まで残ることができました。
そこではじめて実際の服作りにふれ、とても難しかったんですが、それをやっている時にはじめて生きてると実感しました。
それからこの服作りを自分の天職にしたいと思い、はじめたのがキッカケです。

相手を知るために相手の心に合わせる

Q.その後はどのようにしてお仕事を?

とにかく服作りがしたくて、生地屋さんから歯切れを買って、それで帽子を作ったり、ジャケットを作ったり、見よう見まねで作っていました。
そして作った作品をフリーマーケットで販売して。そこでたまたま大阪梅田のバイヤーさんに出会いました。その方が出していた商品全部買ってくれたんです。そこからもっと色々なものを作ってほしいといわれ、徐々に仕事になっていきました。
今もそうですが、人間の出会いが自分の人生を大きく左右しましたね。どちらかというと内向的な性格なんですが、やはり生きていくということに必死だったので、自然と色々な人に出会えるチャンスに巡り合うことができ、今も大好きな洋服に携わるお仕事をさせていただいてます。

Q.お仕事をされているうえで大切にしていることは?

そうですね。私が心がけているのは、相手と同じ目線に合わせて話をすることです。できるだけ相手の身振り手振り、目の動き、服装をみてその人の空気にあわせていく。そうするといつのまにか共通言語が生まれてくる。
そこではじめてお互いの価値観のシェアできると思うんです。できるだけ話をきく、相手の心にあわせていくことは大切にしていますね。
良い仕事をしていくうえで大切なのは人。生まれてくるデザインにどういう人がどのように携わったかで出来上がるものが変わってくるんです。人間関係がよくないとうまくいかない。仕事によって様々な役割がありますが、人を大切にすることはいつも考えて仕事をしています。

相手を知るために相手の心に合わせる

朝の珈琲が1日をスタートさせる

Q.そんな多忙な毎日のなかでほっとできる瞬間はいつですか?

妻と娘がいるのですが、毎朝妻がペーパードリップで珈琲を淹れてくれるんです。淹れたての香りをかぐとすごくリラックスでき、テンションもあがります。
ぬるくなるくらいまで時間をかけて飲みますね。猫舌というのもあるのですが(笑)
朝ごはん珈琲だけという時もあります。それでも十分なくらい珈琲は好きですね。朝は珈琲さえあれば1日がはじまるといった感じです。
この朝の珈琲タイムがホッとできる瞬間でもあり、スイッチを入れる時間でもあります。
余談ですが、パリコレをやるために、93年にパリにいきました。朝のパリって町中がコーヒーの香りになるんです。
その時の記憶が脳に刻まれているのか、朝は珈琲が無いと始まりませんね。

Q.どういう珈琲が好きですか?

いつもブラックで飲みます。ほどよく苦くて、酸味抑えめのものが好きですね。あと、香りも大事です。珈琲の良い香りがするとその場の空気が変わって、気持ちをポジティブにしてくれるんですよね。

Q.個人カフェの珈琲~凛~のお味はいかがでしょうか?

私が言ったとおりの味ですね!
酸味は抑えられてて、苦味もしっかりしてます。でも焦げたような嫌な苦味はまったく無いです。また、後から鼻からぬける香りがすごく心地よいです。
本当に美味しいです。
子供のころに父親に連れて行かれた長崎の喫茶店で、はじめて珈琲を飲んだときの美味しかった記憶がよみがえりました。

相手を知るために相手の心に合わせる

Q.最後にあなたにとって珈琲とは?

「口に入れることができる香水」ですね。香水って自分の印象を形づけていくじゃないですか。
自分の好きなもの、自分が心地良いものじゃないとつけたくない。珈琲はそれと同じくらい自分の一部です。
普段飲むものといったら珈琲と水しかないですからね。夜は白ワインかシェリー酒。この4種類の飲み物しか飲まないんです。
そのくらい珈琲は自分に欠かせないものですね。

独学で洋服作りを学び、現在アパレル業界の第一線で活躍する山下さん。
忙しい毎日のなか、とても優しく丁寧にインタビューにこたえていただきました。
そんな山下さんに個人カフェの珈琲を気に入っていただけてとても嬉しいです。これから益々の活躍に期待しています!ありがとうございました。

クリエーター 山下隆生さん

メンズ、ウィメンズ、スポーツからカジュアル、HI-Fashion、そしてフォーマル、ウエディングとカテゴリーを問わず、ウエアーから雑貨、バッグ、シューズまで全てのアイテムに対しディレクションからデザインを手掛る、マルチクリエーター。
http://store.beautybeast.jp/

1966年
長崎市出身
1990年
ブランド「beauty&beast clothing」を設立しデビューコレクションを発表
2002年
アディダス社『スポルト カジュアルス』オフィシャルクリエイティブディレクターに就任
2008年
国内大手スポーツアパレルメーカーasicsラニングクリエイティブディレクターに就任
2009年
コレクションブランド"Dress Camp" クリエイティブプロデューサーとしてリブランドに協力
2012年
ONITSUKA TIGERクリエイティブディレクターに就任、アパレルディレクションとデザインを担当
2013年
株式会社リステアSURFSIDEディレクションならびにデザインを担当
2014年
株式会社リステア日本メードデニムブランドHL雑貨を含むトータルデザインを担当
山下隆生さん